神奈川県小型生コンクリート協同組合 技術交流会主催 第二回技術交流会講演会 参加報告

2019年2月5日(火)16:00~開催 第二回技術交流会講演会が開催され、弊社 仲田がファシリテーターを務めました。

【講演会概要】

講師:

(一財)日本建築総合試験所 製品認証センター

工業標準部 東日本業務課 課長 山田 人司氏

 

内容:

1. JIS A 5308及びJIS Q 1011改正の要点

2. JIS Q 17025の対処ポイント

3. 平成30年度維持審査の状況

4. 質疑応答

【内容詳細】

 

1. JIS A 5308及びJIS Q 1011改正の要点

改正案もとに要点の説明。今後の規格の解釈や動向により、改正内容や変更対応が異なることもあり得ると、改正・公布は2019年3月20日に予定されています。規格書をしっかり確認して下さい。6ヵ月間の経過措置期間が設けられます。

 

・変更届(変更申請)について

移行期限内に変更が必要な部分を(各工場で異なります)「必須」or「任意」で説明。

 

・JIS A 5308レディーミクストコンクリートの改正について

主な改正点は次の通りです。

1. 「用語及び定義」の規定を追加

2. レディーミクストコンクリートの種類及び区分の充実

(主に普通コンクリート及び高強度コンクリート)

3. 強度、スランプフロー及び塩化物に関する規定の見直し

4. レディーミクストコンクリート配合計画書の記載内容の充実

5. レディーミクストコンクリート納品書の記載内容の充実

6. スラグ骨材JISとの整合性

7. 骨材塩化物含有量試験の見直し

8. 環境負荷の低減や資源の有効活用を推進

9. その他

 

・JIS Q 1011レディーミクストコンクリート分野別認証指針の改正について

主な改正点は次の通りです。

1. JIS A 5308の改正内容に準じて変更

2. 認証審査での実状を踏まえた変更

3. 工程の管理:細骨材の粗粒率の測定頻度

1回以上/日 → 1回以上/週に変更

4. 材料の計量において、AE剤(空気量調整剤)を使用する場合で、

累加計量する場合の計量方法と検査方法を明確にした

5. 検査設備のうち、供試体用型枠について「供試体用成形器具」とし、

「繰返し使用する型枠」の場合の検査頻度を定めた。

2. JIS Q 17025の対処ポイント

JIS Q 17025:2018への移行期限は2020年11月30日として、当該改正JISへの適正な移行を確実にするために、2020年3月31日までに品質管理体制をJIS Q 17025:2018に対応させ、社内規格の変更が生じる場合は、認証機関への「申請書・添付書類変更届」を提出して下さい。

 

・移行期限について

JIS Q 17025:2018(ISO/IEC17025:2017)への適合性確認は以下の要領

 

<2020年11月30日までに製品試験を実施する場合>

認証取得工場の移行対応状況に応じて、JIS Q 17025:2005又はJIS Q 17025:2018のいずれかで適合性を確認致します。

 

<2020年12月 1日以降に製品試験を実施する場合>

JIS Q 17025:2018で適合性を確認致します。不適合が確認された場合、是正が確認されるまで製品試験が実施できない場合があります。

 

・JIS Q 17025(ISO/IEC17025)の改定理由

ISO/IEC 17025:2017(2017.11.30改定)

JIS Q 17025:2018(2018.7.20改定)

○引用規格が現存していない、最新ではない

○用語の定義が古い

○ISO9001:2015との整合性

○規範的要求事項を可能な限り廃止

→細かなルールはラボ独自で作成(リスクに基づく考え方)

○注釈を可能な限り削除

→要求事項へ格上げや削除を検討

3. 平成30年度維持審査の状況

全国で50~60件内、関東10件程度

認証取消し理由として、品質記録が適切に維持管理されておらず、JISで定められた品質を満たさずにJISマークを付して継続的に出荷していたため。

 

・立入検査の指摘事項

①製品や原材料の管理・品質

実地試験において、スランプが不合格、出荷実績表と製品検査台帳で試験体の採取日が一致しない等。

②製造工程や設備の管理

配合計画書の不備、年次点検が実施されていない等

③教育訓練や組織的運営

教育計画の不備、苦情処理が規定の処理通り実施されていない等

 

~JISマーク表示制度~ 信頼性回復のための取組み

近年の重大なJIS違反があり、JISマークとしての信頼回復のため、不適合事例及び品質管理のポイントを説明して頂きました。(2018年標準化と品質管理地区大会資料抜粋)

 

 

JIS A 5308及びJIS Q 1011の他規格との整合性を含めた細かな改正が多数あり、自社工場に対して「必須」or「任意」なのかを確認し、改正の準備をしていくことが重要だと思いました。

※JIS A 5308改正説明会の質問票の回答を受け、対応が変わるものもあるかもしれない。不明慮な点は放置せず、遠慮なく認証機関に訪ねて対処実施すべきだと思いました。

具体的で大変解りやすくまとめていただき、ご講演いただいた山田様にはこの場をもって厚く御礼申し上げます。

受講者の方々からもご好評の言葉をいただきました。

その後の懇談会では、今年度のコンクリート技士 主任技士に合格された方々の発表と記念品の授与、来年度の幹事の指名など、大変盛り上がりました。

 

新東産業株式会社 営業部 加藤郷典

 

 

 

 

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